外国人就労管理システムとは

建設業で特定技能外国人に働いてもらうには、事業所ごとに「建設特定技能受入計画」を作成し、国土交通大臣に提出して認定をもらう必要があります。入管へは、この国土交通省の「建設特定技能受入計画」の認定がないと入管へ書類を提出しても許可が下りることはありません。

上記の「建設特定技能受入計画」を作成・申請するためのオンラインのシステムが「外国人就労管理システム」です。

「建設特定技能受入計画」の認定を取得するのに必要なこと

「建設特定技能受入計画」を取得するためには、最低限以下の要件があります。

建設業許可を取得していること

建設業許可を取得していない事業者は、特定技能外国人を雇用することができません。

もし、建設業許可を取得していない事業者が特定技能外国人を雇用するために建設業許可を取ろうとすると許可が取れるかどうかの条件が発生します。ここで詳しく解説は省きますま「経営業務の管理責任者(経管)」は5年以上の建設業に関する経営者としての経験が必要になります。また、「専任技術者」は、その建設業種に関する決められた国家資格等を取得しているか10年以上の業務経験が必要となります。よって、設立したばかりの建設業者にとっては、少しハードルが高くなっています。

キャリアアップシステムに加入していること

建設業界では、昨今国土交通省が一生懸命普及を進めている「キャリアアップシステム」というものがあります。これは簡単に説明すると、技能者が一人ひとりどのくらいのキャリアを積んできたかということを証明できるようカードの中に情報を蓄積していくシステムです。また、本人がどのような資格を持っているか、どのような社会保険に加入しているかなどの情報が蓄積されています。

JAC(建設技能人材機構)の正会員の会員もしくはJACの賛助会員であること

JACには、各種建設業の協会が正会員として参加しています。(例「全国管工事業協同組合」「全国中小建設業協会」など)それらの正会員の会員になるか直接JACの賛助会員になる必要があります。会員になるには、入会金・会費などの経費が発生します。(すでに会員になっている事業者は、改めて加入する必要はありません。)参考までに、JACの賛助会員の会費は年24万円です。

ここで、注意しなければいけないのは、各会員になるには会ごとに入会の手続が必要になります。会によっては入会審査が3か月に1回しかないなどのルールがあるため、タイミングが悪いと会に入会するのに3か月かかるといった可能性もあるのでご注意ください。

受入負担金を支払う

受け入れ後のことですが、特定技能外国人を雇用した事業者はJACに対して受入負担金を支払う必要があります。これは、特定技能の資格を取得した経緯によって下記のように異なります。

対象となる特定技能技能外国人の別 一人当たりの受入負担金
海外試験合格者(JACが指定する海外教育訓練を受ける場合) 20,000円(年額24万円)
海外試験合格者(JACが指定する海外教育訓練を受けない場合) 15,000円(年額18万円)
国内試験合格者 13,750円(年額16万5千円)
試験免除者(技能実習2号修了者等) 12,500円(年額15万円)

参考までに、JACのホームページに「受入負担金とはなんですか?」というQ&Aに以下の答えが載っています。

この負担金は、教育訓練及び技能評価試験の実施、試験合格者や試験免除者の就職・転職の支援、受入企業及び1号特定技能外国人に対する巡回指導並びに母国語相談ホットライン業務など、JACが特定技能外国人受入事業実施法人として実施する共同事業に充てられます。

と記載されています。

 

「外国人管理システム」によるオンラインによる申請

以上の手続を修了した後、外国人管理システムにて「建設特定技能受入計画」の申請をすることになりますが、ここで注意しなければいけないことがいくつかあります。
国土交通省のホームページには、「外国人就労管理システムが同左保証しているOSは、Windows10Pro(32bit、64bit)のみです。Windows11では動作保証対象外です。」と記載があります。今時、windows10Proを使っている方がどの程度いるかは疑問です。
続いて、審査期間の長さです。国土交通省では「審査機関は3~4か月は最低かかります。補正等がありますとさらに期間がかかります。」といっています。ここで注意しなければいけないのは、同じ企業で他の外国人を追加申請した場合にには、今まで申請していた外国人も含めて再度新規申請とみなされ待たされることになります。例えば、Aという外国人を外国人管理システムに1月に入力して、3月頃Bという外国人の入力をした場合にはAとBは3月に申請したことになり、そこから{3~4か月」待たされることになります。

準備期間についての考え方

以上の状況を踏まえ、例えば現在自社で働いている技能実習生を技能実習終了後特定技能外国人とし働いてもらうには、最低でも4か月前(もちろん建設業許可の取得やキャリアアップシステムの取得の必要があればさらに追加して考える必要があります。)までには、準備を開始することが必要です。できれば、半年前から準備することをお勧めいたします。