「経営・管理」の社会保険・労働保険の加入

管より今回の通達で、一番大きな変更点はこちらの社会保険・労働保険の加入義務が明記されたことです。

労働保険の加入義務

労働保険とは、一般的に労災保険と雇用保険になります。では、これらの保険はどのような事業所が加入義務があるのかチェックします。

労災保険の加入義務のある事業所

労災保険については、加入義務が広く個人事業の農林水産業を除くすべての事業者に加入義務があります。ただし、個人事業主一人だけで営業していく人、もしくは会社で全員が役員の場合には加入義務が課せられません。

雇用保険の加入義務のある事業所

農林水産業を除き基本的には一人でも雇用する事業者は個人事業、法人にかかわらず加入義務があります。ただし、1週間の労働時間が20時間未満の人、31日以上雇用される見込がみない人、昼間学校に通学しているアルバイトの方には適用がありません。

社会保険の加入義務

社会保険とは、厚生年金と健康保険のことになります。このふたつの加入がかなりハードルが高く、問題になっています。特に、厚生年金に関しては本人の負担もかなり増えるので、外国人従業員の中には嫌がる人も多いようです。

厚生年金と健康保険の適用事業所

以下の事業を営んでいる事業所は強制的に加入する義務があります。

  • 法人(株式会社や合同会社はこれに含まれますのでたとえ社長一人でも加入しなければいけません。)
  • 個人事業主で従業員を5人以上雇っている事業場

個人事業主の場合には例外があります。たとえ5人以上雇っていても以下の事業については強制加入事業所にはなりません。

  • 農林水産業(農業、漁業などを営んでいる事業)
  • 飲食業(カレーレストラン、中華料理店など)
  • 旅館その他の宿泊所
  • 理・美容業、クリーニング店等
  • 士業
  • 宗教業

これらを除いた事業であれば、個人経営の場合であっても5人以上従業員を雇用していれば社会保険の加入義務があります。

被保険者

次に加入義務なある人ですが、1週間の労働時間及び1か月の出勤日数が通常の労働者の3/4以上である労働者となります。

その他にも、実は細かい要件がありますが、一般的な労働者は加入義務があると考えてください。

今後の「経営・管理」の在留資格と社会保険・労働保険について

昨今、日本国内において様々な許認可において社会保険の加入義務化が定められています。もちろん、いままでも加入義務がある事業所は、加入する必要があったのですが、そこは日本の縦割り行政で社会保険は厚生労働省で在留審査の許可は法務省、建設業や宅建業は国土交通省といった具合に別々の省庁の管轄であったために要件にはなっていなかったケースが多数見受けられました。しかし、今の時代の風潮は「社会保険に加入しなければ許可は致しません。」という流れになっています。その中で、外国人ということで社会保険に加入しないで事業を運営していくことが認められることが難しくなるのは当然かと思います。

今後、入管側の審査について「認定」「変更」についてはもちろん、「更新」についても社会保険の加入が要件になっていくと思われますので、「経営・管理」の在留資格をお持ちの方や、今後検討されている方は、このことを十分考慮にいれてご検討ください。