知合いのベトナムの方から電話があり、「姪っ子が専門学校に入学してるからビザの変更をお願いします」と連絡がありました。専門学校に入学してビザの変更?何かおかしい。外国から日本に来て専門学校に入学なら「在留資格認定証明書」の取得だし、「永住者」や「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」の身分系の資格であれば、そもそも変更する必要がないですし。

電話ではあまり話が通じないので、会ってゆっくり聞くことにいたしました。そこで、話を聞いてびっくり。その姪っ子さん、現在は「永住者の配偶者」の資格で日本に在留しているのですが、結婚して数カ月で離婚をしてしまいベトナムにいったん帰ったのですが、やはり日本に行きたいと考え再度専門学校に入学したそうです。しかし、在留資格は「永住者の配偶者等」のままで届出等は一切提出していない状況で、専門学校に入学していました。その専門学校も外国人が入学するのは初めてのようで、おそらく詳しく調べず在留カードを所持していたので問題ないと判断したと考えられます。そして、今回在留期限の更新が迫って私のところへご連絡をいただいた次第です。

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の資格の人が離婚したら

これからご説明する内容は、離婚が成立した後の入管の届出の内容です。法的に外国人が離婚するにはどうするかなどは、弁護士会や役所にご相談ください。

もしも、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」などの在留資格で日本に在留している場合には、離婚が成立した日から14日以内に「配偶者に関する届出」を提出しなければなりません。

配偶者に関する届出

在留資格の変更

法律では、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の資格を持っている人が6カ月以上その活動を行わないと取消の理由になります。もっと簡単に言うと、離婚して6カ月過ぎると在留期間が残っていても日本にはいられなくなります。ただし、「永住者」や「技術・人文知識・国際業務」などの就労系の資格で在留している方は該当しませんし、たとえ離婚してもこの届出の必要はありません。

配偶者と離婚や死別後も日本に在留を希望される方は、在留資格変更許可を取得する必要があります。ここでは、このことについては詳しく書きませんが、一般的に多いのが「定住者」などの資格に変更して日本に在留する方法です。そのほかに実際にお仕事をされている方であれば、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などの就労系の在留資格に変更する方法もあります。

書類の提出

話を姪っ子さんのことについて戻しますと、とりあえず急ぎで「配偶者に関する届出」を入管に提出してもらいました。これは、郵送でも何でもいいのでなるべく早く提出したほうがいいです。(もっともすでに1年程経過していたかと思いますが。)

その後、在留資格変更許可の書類を作成させていただきました。提出した書類としては、離婚の経緯や届出をしなかった理由、専門学校に入学した経緯などを書いた通常の理由書に加え、「反省文」を提出しました。もちろん原案はお手伝いさせていただきましたが、本人に内容を十分理解してもらったうえで、日本語による自筆で書いてもらいその他の資料と一緒に提出いたしました。

その後、苦労のかいがあって、無事1年の在留期間で在留資格変更許可がもらえました。実はこの話には後日談があるのですが、それはまた別の機会に書くことにします。

いずれにしても、注意しなければいけないのは、離婚や死別などの状況で「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」で在留期間の切れる寸前まで在留して、更新までに何とかしようと考えていると重大な問題に発展してしまうので、早めに専門家にご相談ください。