前回は、職種別による在留資格の説明をしましたが、今回はそれ以外の在留資格についてご説明します。

 

文化活動

収入を伴わない学術上または芸術上の活動または、日本特有の文化もしくは技芸についての専門的な研究を行いもしくは、専門家の指導を受ける活動をいいます。

「日本特有の文化もしくは技芸」とは、生け花、茶道、柔道、空手、日本建築、日本画、日本舞踊、邦楽などがあります。

「専門的な研究」とは、我が国特有の文化、技芸を専門に研究することをいい、教育機関よりその部門に精通した専門家の個人指導を想定しています。大学等で習得する場合には「留学」「研究」「研修」になる場合が大半です。

短期滞在

観光ビザとも呼ばれ、観光の他に、通過のため、知人や親族訪問、アマチュアスポーツ競技参加、保養、病気治療、病気見舞、市場調査、業務連絡、商談、契約書の調印、各種見学、講習会出席、姉妹都市等への訪問、大学受験の手続きなどの活動に該当します。

日本で報酬を得る活動に従事しないことが要件になっていますので資格外活動許可を取得してアルバイトなどをすることはできません。

短期滞在の申請は、外国にある日本大使館、領事館で行います。

 

留学

大学、専門学校、日本語学校などで教育を受けるための在留資格です。

留学の要件

①教育の内容 次のいずれかに該当していること。

  1. 申請人が日本の大学もしくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において12年間の学校教育を修了した者に対して日本の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校に入学して教育を受けること。(夜間通学、通信制学校をのぞききます。)
  2. 申請人が日本の大学に入学して、その大学の夜間において授業を行う大学院の研究科において専ら夜間通学して教育を受けること。
  3. 申請人が日本の高等学校(定時制を除き、中等教育学校の後期課程を含む。)、特別支援学校の高等部、中学校(義務教育学校の後期課程および中等教育学校の前期課程を含む。)、特別支援学校の中学部、小学校(義務教育学校の前期課程を含む)、特別支援学校の小学部、専修学校の高等課もしくは一般課程、各種学校、設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関により教育を受けること。(夜間通学、通信制学校はのぞきます。)

②申請人が日本にいる期間生活をするための費用が十分であること、もしくは親などからの仕送り等が見込まれていること。

ビザ君ビザ君

日本にいる間の生活費のことだね。

先生先生

そうだよ。資格外活動の許可を受ければ1週間に28時間までは働けるけど、それだけで生活するのは難しいよね。だから、その他に貯金や仕送りが必要で、それを証明しなければならないんだ。

③申請人が専ら聴講による教育を受ける研究生または聴講生として教育を受ける場合には、前記①の1又は2に該当し、その学校の入学試験を受け合格して、かつ、その学校で1週間に10時間以上の聴講をすること。

④申請人が高等学校において教育を受けようとする場合は、年齢が20歳以下であり、かつ、教育機関において1年以上の日本語の教育または日本語による教育を受けていること。

ビザ君ビザ君

”日本語の教育”と”日本語による教育”ってどう違うの?

先生先生

”日本語の教育”はまさに日本語そのものを日本語学校で勉強していることをいいます。”日本語による教育”とは、授業そのものを日本語を話す先生から学んだということだよ。

⑤申請人が中学校、特別支援学校の中学部、小学校、特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

  1. 申請人が中学校において教育を受けようとする場合は、年齢が17歳以下であること。
  2. 申請人が小学校において教育を受けようとする場合は、年齢が14歳以下であること。
  3. 日本において申請人を監護する者がいること。
  4. 申請人が教育を受けようとする教育機関に外国人生徒または児童の生活の指導を担当する常勤の職員が置かれえいること。
  5. 常駐の職員が置かれている寄宿舎その他の申請人が日常生活を支障なく営むことができる宿泊施設が確保されていること。
ビザ君ビザ君

小学校や中学校に行くときには寄宿舎が必要なの?

先生先生

この文書だけ読むとそう考えるのも当然だけど、親元から小学校や中学校に普通に通うには通常在留資格は「家族滞在」などの資格で良いですね。これは、親と同居してない場合の話になります。

⑥申請人が専修学校または各種学校において教育を受けようとする場合(もっぱら日本語の教育を受けようとする場合は除く)は、つぎのいずれにも該当していること。ただし、申請人が外国から相当数の外国人を入学させて初等教育または中等教育を外国人により施すことを目的として設立された教育機関において教育を受ける活動に従事する場合は、2に該当することを要しない。

ビザ君ビザ君

下線部の意味がよく分からないんですけど。

先生先生

たとえば、日本にあるアメリカンスクールのように、日本にいる外国人の子供たちを、本国にいるのと同じように教育する機関のことだよ。

    1. 申請人が、法務大臣の認定をした「日本語教育機関」(日本語学校など)で6カ月以上日本語の教育を受けた者、専修学校もしくは各種学校の授業をうけるに足りる日本語能力試験に合格した者、または学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園は除く)において1年以上の教育を受けたもの。
    2. 申請人が教育を受けようとする教育機関に外国人学生の生活指導を担当する常勤の職員が置かれていること。
ビザ君ビザ君

ここでいう「日本語能力試験」とは、どういう試験ですか?

先生先生

財団法人日本国際教育支援協会および国際交流基金が実施する日本語能力試験のN1またはN2などがあるよ。

⑦申請人が専修学校、各種学校または設備および編成に関して各種学校に準ずる教育機関において専ら日本語の教育を受けようとする場合は、法務大臣が認定した日本語教育機関であること。

⑧申請人が外国において12年間の学校教育を修了した者に対して日本の大学に入学するための教育を行う機関において教育を受けようとする場合は、当該教育機関が法務大臣が認定している機関であること。

⑨申請人が設備及び各種学校に準ずる教育機関において教育を受けようとする場合は、法務大臣の認定がある機関でかること。

まとめ

今回は、仕事をする目的ではない在留資格の「文化活動」「短期滞在」「留学」について説明いたしました。とくに「短期滞在」では一切報酬を得て仕事をすることができないので注意してください。

また、「留学」で在留している方が資格外活動許可を取ってアルバイトなどの仕事に就く場合は、夏休みなどの長期の休みを除いて週28時間までと規定されえいます。これを超えると、雇用主も留学生も罰せられるので注意が必要です。